母艦でモバイル向けデータを作成する
■MPEG2ファイルのCMを切る

少し前からDVDレコーダを購入してバリバリ使っています。主にTV番組を録画して動画に変換、それをPDAで見ているのですが、この方法の最大の欠点はCMが入ることだと思います。PocketPCの動画再生ファイルはイマイチ使い勝手が良くない物が多く、例えばWindowsMediaPlayerは早送り、巻き戻し機能が無く(スクロールバーを使っての早送りは可能ですが、これでは微妙な調整が行えません)、PocketMVPの場合だと早送りを行うとしばらくの間音声と画像がずれてしまいますし、こちらには巻き戻し機能がありません。
CMが入るたびにそういった不具合を我慢する必要があるので結構面倒です。

私の使っている東芝のRD-XS41は編集機能に優れていて、映像にチャプタを打ってその中から必要なものを選択して登録したプレイリストを作成し、DVD-RAMにコピーするといった一連の作業が簡単に出来ます。これはたとえば不要なCMをカットしたりするのに非常に重宝するのですが、しかし録画中などにその作業を行うとフリーズする可能性などもあります。
そこでPCでも同様の作業が簡単に行えるように動画の編集ソフトを購入しました。

【TMPGEnc DVD Author】

TMPGEnc DVD AuthorはDVD-R、DVD-RAMどちらに記述された動画ファイルにも対応した動画編集ソフトです。
GOPという単位でしか画像を編集することは出来ませんが、その分再エンコードが必要なく、非常に高速に編集から書き出しまでが行えます。
AC3&LPCM対応版と日対応版があり、対応版は店頭で10000円程度でかえます。 (定価は12800円ですが定価で売っているところはほとんどありません)
DVDレコーダなどで録画した動画の音声は大抵ドルビーかLPCMで、非対応版だとカット作業中は音が鳴りません。(書き出したら問題なく音が入ります、編集中だけの制限のようです)音を確認しながら切れた方が便利なので、極力対応版を買いましょう。

【CMカット手順】

カットの手順は非常に簡単です。
まずアプリケーションを起動し「ソースの選択」をクリックします。

その後ソースが通常のMPEGファイルの場合は「ファイルを追加」でファイルの場所を指定します。
ただし、今回はDVDレコーダで録画した動画ファイルなので「DVDビデオを追加」を選択します。

こんな感じで録画したDVDを入れたDVDドライブを指定します。

読み込みたい画像を選択して「次へ」をクリックします。

「HDDにクリップの映像データをコピーする」にチェックを入れ、コピー先を指定、「OK」をクリックします。

「クリップの情報」にそのファイルの情報が表示されます。
とりあえず特に変更する必要もないので「チャプター・カット編集」をクリックします。

こちらが編集画面です。プレビュー画面や、GOP単位で表示される編集サムネイルなどを参考にしつつ、下のスクロールバーを動かしたり、再生、早送りボタンなどを駆使して目的の場所を探します。

CMの最初を開始フレームに、CMの最後を終了フレームに設定し、編集メニューから「現在選択している範囲をカットする」をクリックしてカットします。先に複数箇所指定しておいて後からまとめて切るというような作業は行えません。一つずつ切っていきましょう。どうでもいいけど仲間ゆきえ滅茶苦茶可愛いです。

カットする際にはこういう確認が出るので「はい」を選択します。

カットすると選択した箇所が消えているのがわかると思います。
どうでもいいけど仲間ゆきえ滅茶苦茶可愛いです。

CMカットする場合は基本的にこれだけでOKです。「OK」をクリックします。
「メニューの作成」はすっ飛ばしていきなり「書き出し」を選択します。

これで「書き出し開始」をクリックすることでファイルを書き出すことが出来ます。

あとは作成されたVOBファイルをWindowsMediaEncorderなどでWMVに変換したり、DVD2AVIなどにかけてd2vファイルとwavファイルなどに分割、AviutlやVirtualDubModなどでDivXに変換したりします。

【解説:GOPってなに?】

GOPというのはGroupOfPictureの略で、数コマ(一般には0.5秒分のコマ数単位と言われています)単位でまとめられた画像のグループです。DVDで採用されている画像圧縮技術のMPEG2では、このGOPの中で画像データをやりくりし、例えばあるコマの画像と重複する部分を他のコマで間引いたりして圧縮を行います。ちなみにこの一コマ一コマを「フレーム」と呼びます。
上記のような圧縮方法を採用しているため、MPEG2形式のファイルでは、このGOPが再エンコード無しでファイルのカット編集を行える最小単位になります。
しかしGOP単位でCMカットを行う場合、同一のGOP内に番組とCMの境界線があると、GOPの特性上番組の内容が一部切れたり、CMの冒頭部分が一瞬残ったりします。これを「ゴミが残る」といったりしますが、GOP単位の編集の場合はどうしようもありません。

以下はTMPGDVDAuthorのプレビュー画面。GOP単位で編集サムネイルを表示しているので、この一つのサムネイルの中に15枚の絵が入っていることになり、青い線が現在プレビュー画面に映っている画像で、編集サムネイルの画像を15分割して動きます。

下がある一つのGOPの先頭の画像。

こちらが10コマ目の画像。

そして下が13コマ目の画像。次のサムネイルに利用されている画像が入っているのがわかると思います。
つまり13コマ目で大きく画像が切り替わっており、13、14、15 コマと以下の画像が入っているというわけです。

例えばこの「第3世代だからできること」というところを切りたい場合には現在のサムネイルの次のGOP(つまり赤線部分)でカット作業を行って、切り口に微妙に切ったはずの画像(13コマ〜15コマ部分に入っている「第3世代だからできること」という画像)が残るのを我慢するか、現在のGOP(つまり青線部分)でカットを行って必要な部分の画像が少し(01コマ〜12コマ)切れるのを我慢するかしかありません。

より完璧に狙った箇所でカット編集を行いたい場合はフレーム単位での編集ということになりますが、TMPG DVD Authorはフレーム単位での編集には対応していません。RD-XS41の場合はフレーム単位での編集は可能ですが、結果を動画に反映するにはレート変換ダビング(いわゆる再エンコード)が必要で、再エンコードには画像の実時間がかかるためあまりお勧めできません。
もっとも、ほとんどのTV放送は1秒間24〜30フレームで、GOPは大抵15フレーム単位。つまりGOP単位の編集は内容が切れるとかゴミが残ると言ってきましたが、最大でも0.5秒程度の事なので私はあまり気にしていません。

【MpegCraft】

もう一つMPEG2ファイルのカット編集に使っていたのがcanopusのMpegCraftです。
こちらは大体5000円ぐらいのソフトウェアで、1コマ(フレーム)単位の編集も可能となかなか高機能な動画編集アプリケーションです。

こんな感じで、画像の1グループあたりでサムネイルが表示されるのですが、この1グループの単位を1フレーム毎、1GOP毎、1秒〜1時間毎まで数十段階に表示を切り替えることが出来、最小で1フレーム単位でカット編集が行えるのがTMPGEnc DVD Authorとの相違点です。

通常、フレーム単位の編集を行った場合、動画を再エンコードして出力する必要があるのですが、MpegCraftでは「必要な箇所のみ再エンコード」という機能が付いていて、比較的高速に1フレーム単位で編集した動画ファイルを出力する事が出来ます。

と、ここまでだと非常に高機能で便利なアプリケーションだと思うのですが、実はいくつか欠点があります。

最大の欠点としてはこのソフト、AC3(ドルビーデジタル)やLPCMといった、DVDレコーダで普通に使われている音声のファイル形式に対応しておらず、MPEG形式の音声ファイルを伴った動画ファイルでないと読み込みが行えないのです。

DVD-RAMに保存したファイルであればPanasonic製ドライブなどにバンドルされているDVD-MovieAlbumなどでファイルを書き出せば自動的に音声がMPEG2に変換されて扱えるようになるのですが、これも非常に時間画かかります。例えば下は2時間30分程度の動画を書き出そうとしていますが、49分かかるようです。

高機能ながらドルビー及びLPCMファイルを扱えないという最大の欠点によって、DVDレコーダで作成した動画をそのまま扱う事が出来ないMpegCraftですが、PCでキャプチャした動画の編集用には使えるんじゃないかなと思います。ただし・・・私がピクセラのビデオキャプチャボードでキャプチャしたMPEG2動画を編集して出力した場合ですが、必要な箇所のみ再エンコードしての出力はことごとく失敗し、画像が表示されないファイルなどが作成されました。DVD-MovieAlbumで出力したMPEG-2ファイルに対しては正常に必要な箇所のみ再エンコードが行えたので、同じMPEG2動画でもファイルによるのかもしれません。ひょっとしたらcanopusのキャプチャボードでキャプチャした動画ならOKかもしれません。

感想

TMPGEnc DVD Authorは手軽ながらGOP単位の編集しか不可能、MpegCraftはフレーム単位の編集が可能ながら動画ファイルの取り込みに制限がある。何ともうまくいかないなぁと思いますが、私個人としてはTMPGEnc DVD Auther程度の編集能力があれば十分なので、今後はこちらをメインに利用すると思います。MpegCraftは主にCanopusのキャプチャボードで取り込んだ動画を編集する人には便利かもしれないですが、私の主な目的はDVDレコーダに録画したファイルの取り込みなので、その用途にはTMPGEnc DVD Autherの方が向いていると思います。

 

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