母艦でモバイル向けデータを作成する
■WindowsMediaEncoder9エンコードWindowsMediaPlayer再生編

まずはWindowsMediaEncoder9を用いた動画の作成方法から。
WindowsMediaEncoder9で作成したファイルを再生できるのはPocketPC2002、2003のWindowsMediaPlayerとSL-C750,760のMoviePlayerになります。今回はその中でポケピの2002、2003で再生できる動画の作成方法を説明します。

■WindowsMediaPlayerとは

WindowsMediaPlayer(以下WMP)とはWindowsで利用できる動画や音楽の再生用のアプリケーションです。
PocketPCには標準で導入されていますが、PCの物と比べると機能的には見劣りします。

不満点としては以下のような物があげられます。

・停止位置を記憶できないため、途中で動画の鑑賞をやめると再度最初からの再生となる。
・動画を見ながらの早送り、巻き戻しがないので、任意の場所を選択するのに手間がかかる

しかし、出先で手軽に使うという用途に用いる分にはこれでも十分だと言うこともできます。(不満を言えばきりがありませんし)

PocketPC2002、PocketPC2003では入っているWindowsMediaPlayerのVerが異なります。
また、機種毎やROMのバージョン毎にもVerの違いが見受けられます。

ちなみに私の所有しているPocketPCで調べてみたところ、WMPのバージョンは。

GENIOe550 ROM 1.28J:Ver8
GENIOe550G ROM 1.25J :Ver8.5
iPAQH3970 ROM 2.10:Ver8.5
iPAQH1937 ROM 1.00:Ver9.0

となっています。
GENIOe550GのWMPは当初Ver8だったのですが、1.25Jへのアップデータを当てることで8.5になりました。
アップデータをあてる前は動画の再生能力は目を覆わんばかりだったのですが、アップデートしてからは指の間からのぞき見ぐらいしても良いかなていどには改善されました。550Gユーザーの方(多分もうほとんどいないと思いますが)でまだアップデートしてない人は、是非ともアップデートすることをお勧めします。また、それ以外のユーザーの方も、メーカーがリリースしてくれている場合には極力適用することをお勧めします。(ただし自己責任でお願いします)

■WME9を用いた動画の変換

WMV形式のファイルを出力するためにWindowsMediaEncorder(以下WME)を利用したPocketPC向けのWMVファイルの作成方法を紹介します。今回は変換にWME9を利用します。
導入してない人はこちらから導入してください。 また、WME9にはCE-VR1のASFファイルを変換すると途中でフリーズするという欠陥がありましたがこちらのパッチを当てることでその不具合も解消できます。

なお、動画ソースの準備に関してはこちらを参照してください。

MPEG1やMPEG4ファイル関連の変換

キャプチャボードでキャプチャしたMPEG1形式のファイル、CE-VR1で録画したASF形式の動画ファイルなどはWME9で直接エンコードする事が出来ます。一度変換するファイルをWindowsMediaPlayer9で再生しておくのがポイントです。

MPEG2ファイル関連の変換

DVDレコーダで録画したVOBファイルやキャプチャボードでキャプチャしたMPEG2ファイルなどの場合、導入しているMPEG2ファイルのデコーダの種類によってはそのままエンコードすることが出来ないようです。
ちなみにMPEG2ファイルのデコーダとはMPEG2フォーマットの動画を再生するためのプログラムで、大抵はDVDドライブにバンドルされているDVD再生ソフトに含まれています。WME9はMPEG2のファイルをこのデコーダ経由で読み込むのですが、そのデコーダとWME9に相性問題があるらしく、うまくエンコードできないデコーダというのがあるようです。

例えばWinDVD 3.0に含まれているデコーダやPowerDVD VR-Xに含まれているデコーダではWME9ではうまくMPEG2を処理できないという情報があります。Elecard Mpeg2 Decoder2.0 betaというフリー(らしい)デコーダを使えば問題なくエンコードできるという情報もありますが、私の環境では逆にこのデコーダを入れたためエラーが出てうまくエンコードできなくなってしまいました。AdobeのPremiere 6.5(MainConcept MPEG Video Decoder)やDVD MP3 Jet-Audio (NEC DVD Softcodec) などのデコーダなら処理できるという話です。

ちなみに私はDVDドライブにバンドルされていたMyDVDというソフトのデコーダ(Ligos MPEG Video Decoder)を使ってWME9にMPEG2ファイルを読み込みエンコードできています。

ただし、これらの情報はあくまで参考程度に留めておいてください。これを元にソフトを買って動作しなかったとしても私は責任とれませんので(汗)

自分のマシンにどんなデコーダが入っているのかはDirectShow Filter Toolというツールをインストールすれば調べることが出来ます。

このように起動して「フィルタの種類」をクリック(下の画像をクリックすると原寸で表示します)

MPEG-2 Video Decorderを選択するとPCに入っているMPEG2のデコーダが表示されます。「ファイル名」で大体何のアプリケーションに含まれているのかわかると思います。
この中で「メリット値」がそのデコーダを利用する優先度になっているようです。ちゃんと利用できるデコーダが入っているのにエンコードに失敗する場合は動作しないデコーダが入っていないか確認し、入っていた場合は動作するデコーダのメリット値が動作しないデコーダのメリット値より低くなっていないか確認してみましょう。

ちなみにメリット値は右クリックから「メリット値の変更」で行えます。

動作するデコーダのメリット値を「00800000」に変更。動作しないデコーダのメリット値も「00800000」になっている場合は「007fffff」にしておきましょう。

それでも駄目な場合はULead software社のソフトを全てアンインストールしてみましょう。 (他のデコーダと干渉してうまく動かない場合があるらしいです)

とりあえず最初はMPEG1やMPEG4あたりの動画ソースを利用するのが簡単で良いんじゃないかと思います。

事前準備

それでは実際に変換・・・と行きたいところですが、変換の前にいくつか下準備をしておきましょう。

PocketPC2003で再生するファイルを作成する場合の下準備

まずPocketPC2003用のWME9の動画のプロファイル(設定ファイル)を作成します。
スタート→プログラム→ WindowsMedia→ユーティリティ→WindowsMediaプロファイルエディタを起動します。

「名前」の欄にとりあえず「PocketPC2003」。「メディアの種類」の「オーディオ」と「ビデオ」にチェックを入れモードはCBRに、コーデックはそれぞれ「WindowsMediaAudio9」と「WindowsMediaVideo9」を選択します。

「対象ビットレート」で「追加」をクリックし、ビットレートを200KとしてOKをクリックします。

データのサイズはオーディオのビットレートと画像のビットレート、動画ファイルの時間で決まります。
まずオーディオ形式のビットレートを決定します。
私はとりあえずそれほど音質にはこだわらないので、なるべく音質は下げてファイルサイズを稼ごうと思いますので64Kbps、48kHz、Stereo CBRを選択しました。

次に画像の設定を行います。まずビデオサイズです。これは動画の画面サイズですが、私はフルスクリーンで再生したいので320*240にしています。 フレームレートは1秒間のコマ数。15fpsもあれば十分だと思いますが、20fps程度でも大丈夫だと思います。

ビデオビットレートは200Kに。動きの激しい動画の場合はもう少し高い値を設定しますが、あまり高くしすぎると逆に動きが悪くなるので380k程度までにしておくことをお勧めします。後はファイルサイズとの相談です。

この状態で「保存して終了」を選択しファイルをWME9のProfileフォルダにセーブします。(標準ではC:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\Profilesになります) ファイル名はPocketPC2003とでもしておけばいいのではないでしょうか。

以上で下準備は終了です。

PocketPC2002で再生するファイルを作成する際の下準備

WME9のインストールがすんだら最初に「スタート」→「ファイル名を指定して実行」にて「regedit」と入力して実行。レジストリエディタを起動します。
HKEY_CLASSES_ROOT\Windows Media\WMSDK\AudioEncorderに「編集」→「新規」→「文字列」で「85」を追加します

PCにMP3変換用のソフトが入っていない場合はwinLAMEをインストールしてください。

すみません、こんな処理いりませんでした。↑

次にPocketPC2002向けのプロファイルを作成します。
スタート→プログラム→ WindowsMedia→ユーティリティ→WindowsMediaプロファイルエディタを起動します。

「名前」の欄にとりあえず「PocketPC2002」。「メディアの種類」の「オーディオ」と「ビデオ」にチェックを入れモードはCBRに、コーデックはそれぞれ「WindowsMediaAudio9」と「WindowsMediaVideo8」を選択します。

「対象ビットレート」で「追加」をクリックし、ビットレートを200KとしてOKをクリックします。

オーディオ形式は32Kbps、22000Hz、stereo CBRを選択。
画像の設定はビデオサイズは240*180にしています。 フレームレートは15fps。

ビデオビットレートは200Kに設定します。

あとは「保存して終了」をクリックしWME9のProfileフォルダに設定をセーブします。(標準ではC:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\Profilesになります) ファイル名はPocketPC2002とでもしておけばいいのではないでしょうか。

以上で終了です。

■WME9を用いた変換の手順

1.まずWME9を起動し「ファイルへの変換」を選択します。

2.次に「ファイルの選択」にてコピーもとファイルにソースとなる動画を指定し、出力ファイルに変換したファイルの出力先とファイル名を指定し「次へ」をクリックします。

3.「コンテンツの配信」ではとりあえず「ファイルへ保存」を選択しておき「次へ」をクリックします。

4.エンコードオプションは特に変更せず「次へ」をクリックします。

5.「次へ」をクリックします。

6.「[完了]をクリックしたときに変換を開始する」のチェックを外して「完了」(一度この設定をしてしまえば次回からは「エンコードオプション」の時点で「完了」を押しても構いません)

7.エンコーダーの画面が表示されるので「プロパティ」をクリックします。

8.「圧縮」タブを選択し「編集」をクリックします。

9.「インポート」をクリックし、先ほど作成したプロファイルを読み込みます。
手順道理に作成していた場合はPocketPC2003用動画を作成する場合は「PocketPC2003」PocketPC2002用の動画を作成する場合には「PocketPC2002」というファイルを選択すればOKです。

10.OKをクリックして設定は終了です。

11.設定を反映させるため「適用」をクリックし、最期に「エンコードの開始」をクリックすれば動画が作成されます。

複数ファイルを一括変換したい場合

複数ファイルを一括で変換する場合には、WMELというツールを利用すると便利です。TRICKSTARさんが公開してくれています。
このツールはSL-C750の記事で紹介していますが、PocketPCにも利用できるのでこちらでも紹介します。以下の文章はSL-C750に記述した文章をPocketPC向けに手直しした物です。

WMELの機能は以下の通りです。

1.各種動画/音楽ファイルをWindows Media Video/Windows Media Audio等に変換します。
2.複数ファイル連続で変換します。
3.変換可能なフォーマットは本家Windows Media Encoder7.1を参考下さい。
4.Windows Media エンコーダ 7.1をインストールする必要があります。
   (注 Windows Media 8 Encoding Utilityのフロントエンドではありません)

WME7.1が必要とのことですが、WME9でも動作しました。
導入は上記サイトからファイルをダウンロード、実行して解凍したらインストールは終了です。

WMEL

こちらがWMELです。「プロファイル」の欄があることからわかるように、変換の設定はWMEのプロファイルを利用します。

WMELを起動します。

「ファイル」→「ファイルの追加」で変換するファイルを選択します。標準では「wmv」「wma」「wav」「asf」しか選択できないようですが、「*.*」を選択する事でそれ以外の形式のファイルも候補として表示させることが出来ます。試してみたところMPEG1形式のファイルも変換できました。多分WMEで変換できる形式であれば何でもOKじゃないでしょうか。

「ファイル」→「保存先フォルダの選択」で返還後のファイルの保存先を選択します。

「プロファイル」で先ほど作成したプロファイルを選択します。
あとは「変換」の「開始」で変換が始まります。

■変換時に色々とフィルタをかけたい

例えば動画の明るさを変えたいだとかノイズを除去したいだとかゴースト(TV画像等の2重写り)を除去したいだとか字幕を付けたいだとかいう場合があると思います。WME9はフィルタ機能がほとんどないので、そういった加工は単体では出来ないようです。

そこで他のエンコーダーのフィルタ機能を利用してWMVファイルを出力する方法があるらしく、試してみました。

VF2WMV Encoder

利用するには.NET Frameworkが必要です。
WindowsUpdateで更新をスキャンした後左側のウィンドウの「Windows2000」の項目で選択することが出来ます。20M以上あるので回線によってはダウンロードに時間がかかるかもしれません。

このツールの便利なところはAviUtlやTMPEGEncなどのプロジェクトファイルを読み込めることです。
つまり、AVIUTilやTMPEGEncのフィルタ機能をそのまま利用できると言うことです。

これらのツールの使い方などは次回以降に譲るとして、とりあえずAviUtlでのプロジェクトファイルの保存方法。
「ファイル」→「開く」及び「音声読み込み」で動画ファイルを開く。
「編集」 や「フィルタ」で必要なフィルタの設定をしてフィルタをかける。
「ファイル」 →「編集プロジェクトの保存」でプロジェクトファイルを保存する。

その保存したプロジェクトファイルをVF2WMV Encoderで読み込み、エンコードします。
設定内容については既に上の方で書いているプロファイルの作成やWME9の設定方法を読めば大体わかると思います。

また、WME9でどうしてもMPEG2ファイルが読み込めない場合は、TMPEGEnc(要DVDソフトウェアプレーヤー、ただしWME9よりは相性問題が少ないようです)やAviUtl(要MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In)でMPEG2ファイルを読み込んで、それをプロジェクトファイルで保存、VF2WMV Encoderで変換するという方法もあります。

■長いファイルは分割して見る

冒頭でも書いたとおり、PocketPCに搭載されているWMPは停止場所を覚えていなかったり、サスペンドに対応していなかったり、早送り機能などが無かったりするため(途中で休憩したり出来ないため)、長い動画を見る際に非常に不便です。

そこで私は2時間程度のドラマなどを見る際には、動画ファイルを30分程度ずつに分割しておくようにしています。

分割に使うのはWME9と一緒にインストールされる 「WindowsMediaファイルエディタ」というアプリケーションです。
まず「ファイル」→「開く」で編集するWMVファイルを選択します。

次に「位置」と書いているボタン横の部分、MMの部分に30と入力して「位置」をクリック。「終了マーク」をクリックします。(これで最初から30分までの動画を切り出す設定になります)

後は「ファイル」→「名前を付けて保存およびインデックスを作成」を選択し、ファイル名を付けて保存します。

保存が終了したら再度変換するファイルを「ファイル」→「開く」で開きなおし、次はMMの位置に29を、SSの位置に50と入力して「位置」をクリック、「開始マーク」をクリックします。続いてHHに1を、MMとSSに0を入れて「位置」をクリックします。(これで29分50秒の位置から1時間までの間のファイルを切り出すことになります)
「ファイル」→「名前を付けて保存およびインデックスを作成」を選択し、ファイル名を付けて保存します。開始を30にしないのはファイルが変わった際に少し戻って再生した方が場面が頭の中で繋がりやすいかなと思うからです。

分割する意味としては、長いファイルを一気に再生するより30分単位で再生した方が、一旦停止した際に再度再生するポイントを探しやすいという点があります。長いファイルをそのまま再生していると、大まかな場所を探すだけでも大変ですが、分割していれば今見ているファイルがいくつめのファイルなのか、という事でまず大まかな位置が特定できます。

次に、開いているファイルの時間が短い方が、WMPの画面上でシークバーを動かす距離と動画の進む時間がリンクしやすいという点があります。
つまり、2時間の動画でも30分の動画でも、シークバーの長さは画面の端から端なわけで、2時間の動画でシークバーを1cm動かすのと、30分の動画でシークバーを1cm動かすのとでは進む時間が全然違うわけで、つまりそれはより正確に先ほどまで見ていたファイルの位置を探すことが出来るという事になります。

つまり、あんまりじっくりと動画を2時間とかかけて見る時間がない人間が考えた苦肉の策なわけで(特に電車などでの移動中に動画を見ている身としてはどうしても途中で中断、というのはよくあることです)、通して見れる人の場合はこんな小細工する必要はないわけです。

追記

2003向けのプロファイル2002向けのプロファイルを公開します。解凍後出来たファイルをC:\Program Files\Windows Media Components\Encoder\Profilesに移動してください。

 

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