SL-C750と比較してみる

発売時期も似ているし同じ高解像度液晶搭載という部分からも、ライバルと見られがちなSL-C750とsigmarion Vですが、はたして買いはどっちでしょう、検討してみました。

概要から検証してみる

  SL-C750 sigmarion V
CPU PXA255(400Mhz) PXA255(400Mhz)
OS Linux (OpenPDA) Microsoft Windows CE .NET Version4.1
サイズ 120×83×18.6 189×117×21mm
液晶 3.7インチ透過型システム液晶(65,536色)640×480ドット 5インチカラーTFT半透過型液晶(65,536色) 800×480ドット
メモリ Flash 64MB(ユーザーエリア約30MB) SDRAM 64MB(ワークエリア) ROM 32MB
RAM 64MB(OS、プログラム実行領域含む)
連続稼働時間 連続表示:約5時間 (使用温度25℃でカレンダーを連続的に表示させた場合<バックライト輝度最小時>) 約4.5〜8時間(非通信時)/ 約3〜5時間(通信時)

概要はこんな感じです。
が、これだけではちょっと何のことかわからないと思うのでもう少し検証していきます。

■CPU

これはどちらも同じXscaleの400Mhz。バグのあるPXA250ではなくPXA255になっていますね。
これに関しては違いは無いので良いとして。

■OS

これはLinuxとCE.NETで全く違うのですが、SL-C750の方もそれほどLinuxというのは意識せずに使えるようになっているので、あまり関係ないと思います。

■サイズ

サイズはこのとおり。

SL-C750の方が断然小さいです。SL-C750は胸ポケットに何とか入りますが、sigmarion Vは持ち歩きにはカバンが必須です。個人的にはこのあたりからすでにターゲットが違うので、比較するのはナンセンスだと思うのですが、皆さんはどう思われるでしょうか。
まぁ、それでも一人で何台もPDA持って使い分けているほうがおかしいので、比較は必要なのかもしれませんが・・・

ちなみに厚みはこんな感じです。

カタログでは2.4mmの違いがありますが、並べてみればほぼ変わりないですね。
逆にいえばsigmarion Vが非常に薄いということです。

■液晶

液晶は3.5インチと5インチで解像度が640*480と800*480です。1画面に表示する情報量はやはりsigmarion V の方が多いです。文字のサイズは似たり寄ったりです。

屋外での視認性はsigmarion Vの方が上ですが、液晶の輝度を最大にすればSL-C750でも問題なく画面は見えます。

■メモリ

メモリが結構ややこしいと言うか、違いがわかりにくい点だと思います。

●OS格納部分

まずOS格納部分についてです。
sigmarion VはROM32Mの部分にOSが入っています。この領域は書き換え可能でもなんでもないので、ここのサイズはユーザーには関係ありません。
次にSL-C750の場合はFlash64Mからユーザーエリア30MBを差し引いた34MがOSの入っている領域になります。この34Mも普通のユーザーには関係ありません。

●プログラム保存部分とワークエリア

次にインストールしたプログラムを保存する領域と、プログラムを動かす際のワークエリアについてです。
sigmarion Vの場合、保存領域とワークエリアは同じ領域、RAM64Mを分けることになります。
SL-C750の場合はワークエリアはSDRAMの32M 、アプリケーションの保存領域はFlash64Mのうちのユーザーエリアである30Mになります。

つまり少しわかりやすくパソコンにたとえると

sigmarion V:ハードディスク、メモリ領域の合計が64M
SL-C750:ハードディスク30M、メモリ32M

となります。ただしワークエリアはどちらもまずOSが自分の動作のために多少利用するので、丸々32Mや64Mからプログラム保存領域を差し引いた分だけ使えるわけではありません。

●保存の違いに見る両者の性質の違い

保存領域がsigmarion VとSL-C750では異なっています。RAMにデータを保存するsigmarion VとFlashROMにデータを保存するSL-C750、という事になっています。
これれらの違いは電池が切れて放置された場合に顕著に現れます。

sigmarion Vの場合はRAMにデータを保存するため、バッテリが切れてそのままずっと放っておくと、データはすべて消えてしまいます。
SL-C750の場合はFlashROMにデータを保存するので、バッテリが切れたまま放っておいてもデータは消えません。その代わり読み書きはFlashROMの方が遅いです。

バッテリが切れてからずっとほうっておくような人には必要なかった、とも言えますし、そんなデバイスに大事なデータを入れるほうが悪いとも言えるのですが、大事なデータをsigmarion Vに入れる場合はバックアップを頻繁に取る必要がありますね。

■連続稼働時間

これも各社ばらばらな表記方法になっています。sigmarion Vの方は通信せずに普通に使った場合の時間と通信もしつつ普通に使った場合の時間、SL-C750の方は1画面を延々表示しつづけただけの時間です。 で、使ってみた結果ですが、バッテリの持ちに関して言えばsigmarion Vの方が圧倒的に長持ちです。

ただ、予備バッテリに関してはSL-C750がバッテリ用充電器などがあるのに対し、sigmarion Vの場合はバッテリの充電には本体を使うしかないという問題があります。sigmarion Vはいざバッテリが出先で切れたときに少し困りますね。
まぁこのあたりは切れないように長持ちするバッテリにしているのと、切れてもすぐに交換できるようにしているのとで、両社のバッテリに対する考え方が違うと言うことでしょうか。
っていうか、どうもDoCoMoはこういうPHSの販促品の周辺機器を充実させる気は無いように思えます。周辺機器などを買いあさるマニア層ではなく、もっと軽い使い道を考えているユーザーに使ってもらいたいのかもしれません。

それ以外の部分について検証する

実際に使ってみた結果にしたがって検証します。

■キーボード

キーボードについては色々と意見が別れる点だと思います。

まずsigmarion Vのキーボードは変則的な構成になっています。それよりさらに変則的なのがSL-C750のキーボードです。
しかしながら、どちらが違和感無く打てるかと言うと、私はSL-C750だと思います。その理由は入力のスタイルの違いにあると私は思います。

sigmarion Vの入力スタイルはタッチタイプになります。それに対してSL-C750の入力方式は親指入力です。タッチタイプの場合はどうしても普段使っているキーボードの癖が出ますが、親指入力の場合は新しい入力方法と割り切ってしまうので、普段のキーボードの癖はあまり関係ありません。多分そのために入力に対する違和感はSL-C750の方が少ないのだと思います。

あとSL-C750のキーボードにはShiftキーが両端についているという点も大きいのかもしれないです。

では、入力はSL-C750の方が早いのかと言うと実はそうでもありません。違和感を感じながらも、やはりタッチタイプのほうが入力自体は早いです。

■拡張性

拡張スロットとして、両者とも本体にCFスロットとSDスロットがあります。

で、sigmarion Vに関してはそれ以外にUSBスロットがあるのですが・・・・
これは私はあまり使ってないので関係ないですね。FDDが動いたとか言う報告もあがっているようですが、私はFDD使わないし。
しかし、メモリカードリーダーも着いてないデスクトップとデータのやり取りをする場合は重宝するんじゃないでしょうか。

■モバイル性

モバイル用途として利用する場合、通信手段としてsigmarion VはP-inを、SL-C750はそれ+AirH"を利用できます。

sigmarion Vの最大の欠点のひとつがAirH"が(今のところ)使えないという点があげられます。
まぁ、これはDoCoMoの製品でDoCoMoのPHSの販売促進として売られているのであろうことを考えれば文句をいうつもりは全くないのですが。
普通にモバイル端末として考えればAirH"よりも移動性もエリアも劣るP-inしか使えないと言うのは大きなマイナスです。

しかし逆に、移動中は使わない、P-inの届く範囲でしか生活しないという人であれば、P-inでも充分だと思います。
速度は絶対P-inの方が速いですし。あ、でもドーマント方式がちょっとうっとうしいなぁ。

■ターゲット

個人的にこれがsigmarion VとSL-C750では全く違うと考えています。
二つのマシンは主にターゲットが異なっており、自分が何をしたいのかさえしっかりと把握していればどちらを買うかはおのずと答えが出てくると思います。
ゆえに私はどちらもお互いのライバルにはなりえないと考えているのですが・・・・

SL-C750

SL-C750の場合はやはりサイズが小さいので胸のポケットに常備して、Webの閲覧、メールの送受信や2chへの書き込みなどを、交換可能なバッテリとAirH"を使っていつでもどこでも行いたい、というユーザー向けだと思います。あとPIMとかも。
また、長文にはあまり向きませんが、たって使うのに最適でそこそこの文章が打てるキーボードもついているので、電車の中で立ったままメールの返事を書いたり、日記を書いたりするのにも向いています。また、データが消えないし、細かいカスタマイズが可能なLinuxがOSなのでガチガチに自分用の環境を構築してしまうことも可能です。

っていうか、端的に言えばこのマシンの魅力は「胸ポケットに入るサイズでWebもメールもPIMもそれなりに快適に見れて、用意すれば2chも見れて辞書も引けて文字入力もなかなか快適に出来る」という「なんでもソコソコできるマシンが胸ポケで持ち運べる」という点だと思います。そこに魅力を感じるかどうか 、ですね。

sigmarion V

sigmarion IIIの場合は・・・

サイズが大きいので持ち運びにはカバンが必須。ただし薄いのでそれほど邪魔にはならない。
画面が広いので一覧性が非常に良い。 また画面もきれい。
電車などで移動している時はあまりWebを見たりはできない。
バッテリは長持ち。 ただし交換には不向き。
立っての利用には不向き、特に文字入力は効率ががた落ちになる。
バッテリが切れたまま放置するとデータは消える。

というところですね。なのでターゲットとしては、いつでもどこでも利用するのではなく、主に喫茶店や家などで座って利用する人。その際ある程度広い画面でWebを見たい人。 と言うことになります。

電車などでの移動中は本を読んでいるか寝ている。
または車での移動が多く、自分が運転する。
利用は主に喫茶店や止まった車の中。
掲示板に書き込んだり、日記を更新したり、とテキストも結構うちたい。
あんまりたくさんのアプリケーションをいれて環境をガチガチに固める方ではない。
他の使い方も出来れば良いが、メインはあくまでWebやメールや2chなど。
たって文字を入力したりインターネットにつなげて使ったりはしない。
家でちょっとWebを見る端末が欲しい。家には無線LANが導入している。
ちょっとした外出に持ち歩いて手軽に使いたい。ノートPCほどの機能はいらないので5万円前後で何とか・・・

というわけで、それほどどっぷりいつでもどこでも、というユーザーではなく、ノートPCを買うほどではないライトユーザーに対するノートPC置き換え端末という、実はHPCの昔からのコンセプトそのままの端末だと思います。ただ、昔のHPC機器は価格が高く、それでいて低機能という事で、最近のノートPCの低価格化及び動作の機敏性アップで駆逐されてしまっていました。(まぁ、テキスト入力は快適ですし、Webも我慢すればある程度見れたのですが、そこまで我慢して10万オーバーのHPCを買うのであればもう少しお金を出してノートを買おう、となっていました)しかし今回DoCoMoが出すことによって価格が大きく下がり、今の技術で作っているのでHPCで出来る水準がある程度上がっているので、今なら「ノートまで入らないけどある程度快適にWebが見たい」そういうユーザーもいるのではないかと思います。

私自身、家のPCは動画の変換などに忙しいので、家でちょっとWebを見たり、休日に気分転換にミスドでドーナツ食べながらサイトの更新したりするときに持ち歩いたりしています。SL-C750の画面ではあまり家などではWebを見たいとは思いません、せめてsigmarion IIIぐらいの大きさが無いとリラックスしてWebを見る、という用途には向かないんじゃないかと思います。
逆にSL-C750は電車の中や移動中などにWebを見たり、テキストをうったりと言う用途にかなりヘヴィに使っています。

 

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